ロボット開発の進捗

こんにちは、トクイテンの森です。
先週(3月28日(月)〜4月3日(日))一週間、愛知に滞在して会社の仕事をみっちりやりました。私は、月曜日から木曜日は実家の一宮から名古屋オフィスに通ってロボット開発、金曜日は岐阜のトマト農場で動作テスト、土日は知多の圃場で定植作業をしました。

名古屋オフィスでの開発

昨年の1月から2月にかけて開発していたミニトマト認識モデルをそのまま使ってオフィスでテストしてみました。写真では上手く行っているように見えますが、実はオフィスの背景をミニトマトと誤認識したりと性能が低下していたので、背景にホワイトボードを持ってきて調整しています。
オフィスでの様子。この画像は上手く行ったパターンですが、背景にホワイトボードを入れないと検出に失敗することが多かった。
オフィスでの様子。この画像は上手く行ったパターンですが、背景にホワイトボードを入れないと検出に失敗することが多かった。
ミニトマトを掴む「エンドエフェクタ(効果器)」を3Dプリンタでかっこよく作ってみたりもしましたが、100円ショップのトングが一番性能が良かったので、組み付けています。やはり、社会的な淘汰を経た製品には目に見えない工夫が入っているのだなと思いました。
スーパーで購入した本物の房付ミニトマト(トング右側)で認識と動作の検証を行っています。動作テストには模型(トング下側)も使っています。
スーパーで購入した本物の房付ミニトマト(トング右側)で認識と動作の検証を行っています。動作テストには模型(トング下側)も使っています。
トマトの三次元的な位置が分かった後の動作も作りました。ミニトマトの直前5cmで一度止まってから、掴み動作を行います。

細野ファームでの認識・動作テスト

4月1日(金)には、ご協力していただいている岐阜県にある細野ファームさん(https://hosofarm.com/)でも認識と動作のテストを行いました。オフィスでのミニトマト認識が良くなかったので心配していましたが、オフィスに比べて現場では誤認識は非常に少なくなりました。実は細野ファームさんは認識モデルを作った際の教師画像を収集した農場だったのでした。この結果はある意味、細野ファームに対する過学習と言っても良いかもしれませんが、目的としては問題ないともいえます。トクイテンの農場では誤認識が増える可能性があるので、今後は異なる農場からのデータを増やす必要はあるかもしれないです。
データを収集した農場で認識を実行した結果。
データを収集した農場で認識を実行した結果。
収穫の動作生成にも挑戦しました。問題はあるものの一定の条件が揃えば収穫はできそうです。今回挑戦した品種は実が密集しているということで、ロボット向けには実の間隔が空いている品種を使ったほうが良いかもしれません。まだまだ、収穫可能範囲が狭かったり上下方向の動作が遅かったりと問題はありますが、着実に開発できているかなと思っています。
一番最初の動作試験。動作成功が嬉しくて、細野さん(すげぇ😳)と森(できたー🙌)の声が入っています😁
※通常、企業内での技術開発は知財やブランド戦略上も非公開が原則で、必要であれば公開するという優先順位だと思います。しかし、我々の場合は良い面も悪い面も公開してしまった方がメリットが大きいと考えています。今後、変更の可能性はありますので保証はできませんが、できるだけ制約は少なめで公開していきたいと考えています。

知多の実験農場での定植

土日は知多の農場でトマトの苗の定植作業を行いました。まずは、有機栽培ではなく化学肥料などを使用した慣行方法で栽培します。結果としては、この土日を使って定植作業を終えることができました。見学に来た地元の農家の方からは、「明日は腰痛になるぞ」と脅されましたが意外と腰痛にはなっていません。クワやスコップの使い方が良かったのでしょうか…。
定植後。右手前にあるポットは実験的に条件を変えた苗です。
定植後。右手前にあるポットは実験的に条件を変えた苗です。
実験ハウス一棟の全体の様子。今後、ロボットが動きやすいように整備していきます。
実験ハウス一棟の全体の様子。今後、ロボットが動きやすいように整備していきます。