ミニトマトの収穫と最近の失敗話
みなさんこんにちは。トクイテンの豊吉です。今回もメルマガを読んでいただいてありがとうございます。最近はプロジェクト・ヘイル・メアリーというSF小説を読んだのですが、とても面白かったです。私はSF作品が好きで、自分の人生には不可欠だと思っているのですが、私が重要だと思っているほど読んでいる人が少ないなと寂しい気持ちになることがあります。
竹取物語は日本の有名なSFの一つですが、みなさんがもし竹取物語を知らなければ、月を見て「月には天女がいるかも?」とか竹藪に行ったとき「光る竹があるかも?」ということを思ったりしないわけです。竹取物語のない人生が寂しいと思った方は、ぜひプロジェクト・ヘイル・メアリー読んでみてください。
さて今回は収穫最盛期を迎えたミニトマトの様子をお伝えします。また最近良い話ばかりしていたのでカウンターとして失敗エピソードも紹介しましょう。
ミニトマトがとりきれない
ミニトマトは下の方から葡萄の房のようなような形でなっていきますが、一番元気がいいのが2段目〜4段目です。それらが熟してきました。この通路の両側だけで30kgぐらいのミニトマトが収穫適期になっています。
農家の方は「味がのってきた」という表現をするのですが、2段目以降の方が甘さも増します。出荷が遅れると裂果といって破裂してしまうので急いで出荷しなくてはなりません。
大変ではありますが、たくさん収穫してこれまで出費をどんどん回収していくのは元気が出てきます。
不耕起栽培エリアも元気に育っています。土に肥料を入れていないので同じひまわり(手前)でも成長に倍以上の差が出ています。要するに大きくなったところは栄養があり、水はけもいいということです。天然の土壌分析として働いていて興味深いです。
最近の苦労と失敗
うまくいってることばかり書くとむず痒いので最近の苦労と失敗を紹介して打ち消しておきます。
まずは耕作放棄地エリアのゴミ掃除です。前の耕作者が残していったビニールがかなり残っていて掃除に苦労しました。燃やすと有毒ガスが出るものもあるので一つ一つ拾って掃除をしました。
ハウス内の温度が上がりすぎたため、エアダクトと換気扇をつなげれば上部の熱気が効率良く廃棄されると考えた実験の様子がこちらです。結果としては全く意味ありませんでした。確かに熱気はかなり吸えていたのですが焼け石に水ということなのでしょう。(当たり前ですが)上部に窓をつけるのがよいそうです。
管理がうまくできず実がつきすぎたため、摘果という間引き作業をしました。暑すぎて栽培環境が悪い割に実がつきすぎたためです。放っておくと株が疲れてしまい全体の収穫量が落ちるとのこと。摘果は本当はもっと早くやるべきだったのですが対応が遅くなり、かなり大きい実も取ることになりもったいなかったです。
写真では分かりにくいですが、ミニトマトを吊っている棚を支える柱が重さで倒れ始めました。鉄パイプを埋める深さが足りなかったのです。ミニトマトの株は大きくなると5kg程度になるのですが、今は1列80株程度なので約400kgの重さということでしょう。他にも重さによって色々なところが壊れてかなりのロスをしました
ミニトマトが健康なら害虫が集まります。上記の写真はトマトサビダニというダニが発生して茎が茶色くなった様子です。他にも病気が出る株もあり、そういうものは株ごと抜いて廃棄することになりますが、とても悲しいです。
いかがでしたでしょうか。他にも塩ビパイプが水圧で破裂したり、雨水がハウス内に入ってきたり、排水溝がゴミで詰まったりと日々トラブルは発生します。
私がもともと仕事にしていたプログラミングの世界では一度直したところがもう一度同じ理由で壊れるということはありません。しかし農業では常に全てのものが太陽光や雨や植物の成長で変化し続けます。まさにイタチごっこというか、毎日どこかに穴が開く気球で旅をしているような気分になることがあります。
でもまあ考えてみれば自然相手ということはそういうことで、そもそも私たちの体も健康なのはその瞬間、その瞬間だけで常に老化をしているわけです。プログラミングのような閉じた世界が特別なんだと(だからこそ愛している世界なのですが)諦め、毎回「なんで!今日!壊れるんだよ!」と実際に声に出しながら乗り越えております。
では、また来週!