農地にWifi環境(インターネット)を月額1,000円以内で作る方法
前回の投稿で、農地にインターネットを引くにはどういう方法があるか紹介をし、光回線の対応地域であれば光回線を、そうでなければ5G・4G/LTEを使うことになるという説明をしました。トクイテンの農場でもこの方法を使っています。
5G・4G/LTEというと難しそうですが、よくポケットwifiとかモバイルルーターと言われているものです。今回の記事ではこの辺りの用語や、どういう機器、手続き、費用で実現できるのかお伝えします。
🤩 先に結論
Wifiの電波を飛ばしてくれるモバイルルーターと、モバイルルーターに入れるSIMを入手し、それを農場に置く。初期費用1.5万円、月額1,000円以内での運用ができます。
📕 用語の整理(読み飛ばしても良い)
5G・4G・LTE・・・それぞれ携帯電話の通信の規格。LTE→4G→5Gの順で新しい。使う側としては携帯の回線の種類と覚えておけば良い。2022年だと一部で5Gが使われており、それ以外ではLTEが使われている。
モバイルルーター・・・Wifiの電波を飛ばす(親機になる)機能と携帯回線を使ってインターネットに繋げる機能の2つを持った機器です。よくポケットWifiともいわれますが、ポケットWifiはソフトバンク社が販売しているモバイルルーターの商品名です。
SIM・・・SIMカードと言われるICチップです。これにプロバイダとの契約情報(識別情報)が入っています。モバイルルーターに挿入することでプロバイダと契約してお金を払っていれば、そのプロバイダを介してインターネットに繋げるようになります。
🤖トクイテンではどうしているか
農場ではWebカメラでの監視、現地の環境情報のモニタリング、遠隔からの灌水制御をしています。また普通にWifiとしてパソコンを繋いでビデオ会議をしたりしています。速度的にはあまり速くないのでZoomなどのビデオ会議をするにはちょっと辛いなというぐらいになっています。
🤔 モバイルルーターとSIMの選び方
まずモバイルルーターですがトクイテンでAterm PA-HT100LN-SWを使っている理由は、この機器が有線LANにも対応しているからです。今のところ予定はないですが、Wifi対応でないIoT機器なども使うことになっても安心です。なお、モバイルルーターと書きましたがこの製品はバッテリーがないので正確には据え置き型のルーターですね。
みなさんが選ばれるときは「LTEルーター」や「モバイルルーター」などで検索するのがいいと思います。価格はいろいろですが私個人の経験としては3000-5000円のものはたまに止まったり、Wifiの届く範囲が狭いです。1万円前後まで出すとそれほど不満ないです。メーカーはわからない人はNECにしておけばいいでしょう。
最後にSIMは選び方がとても難しいです。なぜなら場所によって電波の強弱があったり、同じ会社でも昔は良かったけど今は遅いなど、ネットの評判があてにならないこともあるからです。トクイテンの場合は私が元々IIJ社のSIMをもっており、他の人が楽天モバイルのSIMを持っていたので現地で速度調査をしました。結果として楽天モバイルが十分な速度だったので楽天モバイルにしました。
なお、データ収集だけするということであればどこの会社のものでもサービス圏内であれば大丈夫です。さらに料金を抑えたい人はSORACOMなどのIoTのためのSIMサービスもあります。私も使っていますがうまく使えば毎月300〜400円での格安運用もできるようになります。
💪 現時点でのおすすめセット
最後に「よくわからんけどおすすめくれ」という人のために、ある程度費用を抑えつつそれなりに運用するためのセットを紹介します。
モバイルルーター・・・「NECプラットフォームズ Aterm PA-HT100LN-SW 」(Amazon)をおすすめします。持ち運びはできませんが、高温多湿になるハウスなどでも日陰にて安定して稼働しています。
SIM・・・どこでも価格はそれほど変わりません。個人的に経験がるのはイオン、IIJ mio、楽天モバイル、SORACOMの4社です。この中からですとイオンのSIMをおすすめします。1週間のお試しがあるので気に入らなかったらやめることができ、価格も低いです。月額480円(税別)からスタートでき必要な容量に応じてプランをいつでも変更できるようです。電話番号やSMSが不要なので「データプラン」というのでお申込みください。
🎁おまけ(Wifiはいらない、電源がないという人のために)
おまけですが、とにかくマイコンなどをネットに繋げたいという人には、Wifiを用意せずにSIMと通信モジュールだけ用意してインターネットに接続するという方式があります。この方法なら必要な時にだけネットに繋ぐだけでよければバッテリー駆動にするという選択肢もでてきます。
実際にトクイテンでも電気工事が終わるまではソーラーパネルとバッテリーとマイコンだけで現地の環境情報をネットに送信していました。