ロボットの仕組みと動作の生成について

こんにちは、トクイテンの森です。
ロボットの開発も進めていますが、今回はロボットの仕組みと動作の生成について少しだけ解説します。

スカラ型ロボット

スカラ(SCARA)型ロボットは日本語では「水平多リンク型ロボット」で、Selective Compliance Assembly Robot Armの頭文字をとったものです。先日逝去された元山梨大学教授の牧野洋さんが1978年に開発して、産業用に広く使用された方式で、日本における産学連携の大成功の一例とも言われています。このロボットはカーネギーメロン大学が選ぶロボット殿堂(Robot Hall of Fame)に選ばれています。
最近開発中のトクイテンの収穫ロボットは、このスカラ型を採用しています。スカラ型ロボットは水平方向にのみ動作する腕と根元の上下動する仕組みで構成されています。これは、重力方向の影響を受けずに動作させたり、テーブルにおいた穴などに棒状の部品を差し込む際に上下方向の力をうまく受け流すような仕組みが作りやすいための構造をしています。
この構造にすると、水平方向動作が制限されるのですが、答えの出る数学的な形式で姿勢を表現することができます。これにより計算も軽くなるので、安価な計算機での動作に向いています。
少しアームの長さを伸ばしてみました。
少しアームの長さを伸ばしてみました。
滑らか動作の生成
ロボットダンスというダンスをみたことがあるでしょうか?カクカクした動作で、突然動き出しては突然止まり、また別の方向に動いて…といったダンスで、一般の方が持ついわゆるロボットの動きを表現しているのではないでしょうか?
逆に人の動きは「滑らか」だと言われます。人のような動作がなぜ滑らかなのかは、細かいことを言うとわかってないのですが、滑らかさを表す方程式はいくつか提案されていて、それぞれ良い近似になっています。その一つが躍度最小軌道です。躍度というのは加速度の微分値で、この自乗の和(時間積分)が最小になるような動きが人間らしい滑らかさであるという式になっています。この式は解析的に解くことができて多項式の形で高速に滑らかな動作を生成することができます。(これを発展させたトルク変化最小軌道は日本の宇野洋二先生が提案しています。森は宇野先生の研究室に学部と修士時代に所属していました)
我々のロボットのアームの動きもこの躍度最小軌道で生成しています(ハンドの回転は滑らかさは考慮せず勢いよく動かしています)。ビデオを見ていただくとどうでしょうか?ロボットダンスのように見えますか?滑らかに見えますか?いかがでしょうか。