農地にインターネット接続できるようするにはどんな選択肢があるか紹介
こんにちは、トクイテンの豊吉です。トクイテンではIoTやロボットを活用しながら未来の農業を作っていくということをしています。
このサイトでは同じようにスマート農業や効率的、未来的な農業に取り組む仲間がもっと増えてほしいという目的で、自分達の調査や実践で得た知識や経験を紹介していきます。
今回はスマート農業をやっていくに欠かせないインターネットへの接続について、どういう方法があり、予算とやりたいことによってどういう方法が最適化ということを解説します。
この記事を読んでいただくことで、これから農場でインターネット接続ができるようにしたいと考えている人が、自分にはどんな方法が良さそうかイメージが掴めるはずです。
先に結論だけ知りたい人向け情報:いろいろな選択肢がありますが、光回線が来ている幸運な人以外は、LTE(5G/4GやモバイルSIM、ポケットWifiとか言われているもの)での接続になると思います。
農場で使えるインターネット接続・ネットワーク接続の種類
まずはどのような方法があるのか全体像を頭に入れましょう。
有線
- 光回線
- ADSL(2024年に終了予定)
無線
- 5G・4G/LTE(携帯電話通信・ポケットWifiと言われてたりするものもこれ)
- LPWA
2022年現在だと現実的なのはこのあたりになります。光回線は速度が速く、一度に遅れる情報量も多いが有線のため最初の準備が大変です。5Gや4G/LTEは工事は不要ですが通信はやや遅く、費用もそれなりにかかります。LPWAは費用はかなり低いですが、動画や画像は送れないぐらいの通信になります。ADSLは残念ながら終了が決まっているので新たに契約はしないのがよいでしょう。
また他にはスマホのテザリングを使うという方法もあります。ただしこれは常時つないでおくことは難しいので今回の検討からは除外します。使い方として「人がいるときしか使わなくていい」「たまに止まることがあってもいい」ということであれば選択肢として考えられます。
他にWifiやローカル5Gといった言葉を知ってる方も多いと思いますが、それらは自社内のネットワークで使う技術で、インターネットを経由して情報を送信したり、受信したりする必要があれば光回線などの上記の方法と組み合わせる必要があります。逆にいうとインターネットに繋げる必要がなく、自社のパソコンにデータが溜まればいい、農場にいる時だけデータが見れればいいというようなことがあればインターネット接続は不要です。
表にすると次のようになります
結局、どの方法でネット接続すればいいのか?
次の3ステップで自分がどれに当てはまるか考えてみてください。
- 光回線が農場に来ていて、予算に余裕がある。または必ず常時の動画送信を行いたい→光回線
- 費用をものすごく抑えてセンサーのデータだけ収集できればよい→LPWAか5G・4G/LTEを検討
- それ以外→5G・4G/LTE
いかがでしょうか。
また、やりたいスマート農業から考えるとこんな感じになるでしょう
LPWA
- 水田の水位のチェック
- 温度、湿度、CO2濃度の計測
- わなのセンサ
5G・4G/LTE
- LPWAでできること全て
- 灌水装置の操作
- ビニール巻き上げモーターの操作
- 監視カメラ・防犯カメラ(必要な時だけ見る)
- ロボットトラクター、トラクターの遠隔操縦
- 静止画・写真の送信
- 環境制御装置の遠隔操作
- テレビ会議・Zoom
光回線
- 5G・4G/LTEでできること全て
- 動画の常時の中継
ここまでをまとめると
では、結局どれを選べばいいのか。次の3つのステップで考えてください。
- 予算があり、光回線が農場に来ている → 光回線
- 予算を抑えて、技術も調べながら実現したい → LPWA
- それ以外 → 5G・4G/LTE
となります。光回線は農場に対応したプロバイダにご連絡ください。あとは家やオフィスにインターネットを繋ぐのと同じです。LPWAに興味を持った方はSigfox、LoRaといったワードで検索してみてください。月額の通信費用は100円以下にできます。
最後に5G・4G/LTEになった方は「ポケットWIfi」「LTEルーター」などで検索するのがよいでしょう。モバイルSIMを契約し、そのSIMを「ポケットWIfi」「LTEルーター」といった機器に入れることで農場にwifi接続可能な環境がつくれます。
次回はトクイテンがどのように5G・4G/LTEのインターネット接続環境を作っているか、いくつかの方法を具体的な機器名やSIMの会社の名前を合わせて紹介します。