トクイテンメルマガ 第11号
11月26日発行の12号のリンクがこちらになっていました。
トクイテンの共同創業者の豊吉です。トクイテンメルマガの第11号をお届けします。
前回の続きで会社設立前のお話をします。今回は農地の取得の話です。
我々は2021年4月ごろから本格的に農地を探し始めました。今は農地を取得できそうなところまできているのですが、そのことを農業関係者に話すと「え?どうやってやったの?」「よく買えたね」と驚く方がほとんどです。どうしてでしょうか。
農地というと皆さんはどのようなイメージがあるでしょうか?以前の私は
- 実家の畑も誰も使ってない余ってるのだろう
- 耕作放棄地が問題になっている余っているのだろう
というものでした。しかし新規で農業を始める人が農地を借りるのは難しく、買うのはさらに難しいのです。私が知った理由はいくつかあります。
- 法律(農地法・農業経営基盤強化促進法・中間管理事業法)の制限があるから
- 貸したり、売ったりするリスクが大きいから
といったところです。
前者については、例えば農地法であれば、農地が適切に管理され、日本の食糧が不足するようなことがないように、農地を取得するには市区町村が定める農業委員会の許可が必要になっています。
そして許可を得るには、営農計画を出し、学校や研修の修了の実績を示すことで営農者が計画を実行できることを示す必要があります。つまり、やる気があっても未経験者が借りたり買ったりはできないようになっています。
後者のリスクについては、農地というのは価格が低く、売っても坪あたり数千円、貸すなら1000坪で年間数万円(年間です)といった価格が相場です。しかし貸した人が悪い人だったらどうなるでしょうか。法律を無視して産廃置き場にされたり、良い人だったとしても技術が未熟だと周囲に害虫や農薬を撒き散らして迷惑をかけるかもしれません。二束三文にしかならないのに、そんな事態になったらその土地には住んでいられなくなるようなリスクは負いたくないのは当然だと私は思います。
他にもさまざまな歴史的な経緯があり、私も知れば知るほど「しかたがないなあ」という気持ちになります。しかしこういった農地の制限が、農地の利用の非効率に繋がってもいます。国もこの辺りは課題と考えていて、やる気のある人にいい土地が手に入りやすくなるように法律も変わりつつあったりします。
そんな事情で入手の難しい農地ですが、我々はどうして入手できたかというと、結論としては半分努力、半分ラッキーという感じでした。
当時、周囲の人にとにかく農地を探していると言い続けた結果、知り合いが紹介してくれた知り合いの知り合いの知り合いが農地をちょうど売りたいと考えているという情報に繋がりました。
そして偶然にもその地主の知り合いの知り合いが私の農業の研修先の顧問だったのです。そういった信頼の繋がりと、私の農業大学校の研修の修了の実績をもって良い農地の取得に至ったのです。(広い知多半島なのに、あっという間に数ホップで繋がってしまう農業界の狭さにも驚きましたが)
ちなみに農地取得の資格を満たすのには合法な抜け道があります。それは親から受け継ぐというものです。親から農地を相続すれば自動的に就農者扱いとなり農地を取得する資格が発生します。今回も万が一には・・・と検討していましたが使わずに済んでよかったです。
では、また次回。